お山の大将、そのパシリ、それらを正す人、騙された人

 

キラーズ・オブ・フラワームーンってどういう意味だ?
探してみると”フラワームーン”は先住民の言葉を元に花が咲き乱れる5月、その5月のムーンということらしい。で、キラーズ・オブ・フラワームーンだと、咲き乱れた花が後から成長する背の高い花の影になり枯れてしまう5月、的な意味らしい。これらの説がどのくらい正しいかわからんけど、まぁ、だいたいそんなことであろう、映画を観て、なるほどと思うであろう。
ベースは1920年あたりの実話で、原作があるらしい。

 

石油の利権に群がる白人。最初に石油利権を掴んだ原住民インディアン、同時に白人に迫害されるインディアンみたいな。この構造は何か現代の問題に重なる感じがする。

 

利権を手にするために状況をコントロールしてるけど仲間として世話役として寄り添いながら自分の手は汚さず地位や権力や財力を拡大していく様も何か現代の問題に重なる感じがする。
それが正義であるようにやっていく、必要だからやってあげてるって気分なのかも、ヘイズをみてるとそんな感じがする。だが、その役を実際に望まれているのはヘイズのような人ではないであろう感。追い込まれれば善人ぶった化けの皮が剥がれて、露骨に権力にしがみつく惨めさみたいな。昔話の一説のようだ。

 

舞台は政治闘争ではなく、田舎の狭い地域で家族や伝統を守りながら暮らす生活が時代とともに変化していく、我々一般市民の感覚な舞台。何者かが集まってくるほど大金持ちになるよりほどほどに豊かに楽しく暮らしていられれば的な原住民の思い。社会変化やお金、こういう部分も何か現代に引っ掛かる感じがする。

 

後半に(時代的に)FBIが誕生して、この地を救出に来る。FBIが登場したあたりで急に生活様式が現代によってくる、秩序を守るルールが増えることで変わるもの。FBIの正義の物語が主体でないところがこの話のポイントなのかな、と。また、FBI的な救助がない状況を想像するとヘイズのようなモノがいる世界のままであろうナニカ。



Apple系の映像はやっぱりキレイ、とてもキレイで音楽は古いブルースが流れたり良い。3時間半もあるのだけど長さを感じなかった。

衣装やアクセサリー、家具などが見逃せないいい感じ。また、スーツ姿の時インディアン印象を着てる時は心情の表れでもあるのかなぁ、と。あれこれ見逃せない。

デニーロがみるからに老獪なジジー役がハマってる。デカプリオはマーロンブランドを真似てるのかって感じにみえて、、、。全般的にちょい役の人たちまでも良かった。

 

実話っていうけど、似たようなこと現代にもあるよね、みたいな、そういうナニカ。